首・肩の症状

 

肩の筋肉疲労

【主な症状・特徴】
肩のこりや痛みを中心に発生し、症状の程度によっては首筋のこわばりや腕の痺れも起きることがあります。こりの部分を指で押さえると硬くなっていることが分かり、押した際に痛みを伴います。
また、症状の多くは両方の肩に発生します。 通常は肩を中心に首筋にかけて症状が起きますが。重症化すれば頭痛や頭重感も伴うようになります。
デスクワークの方や自動車のドライバーの方に多く見られ、その他日常的に筋肉疲労を起こしやすい姿勢(猫背等)の方に見られる症状です。 筋肉疲労の部分を揉んだりストレッチ運動を行ったりすることで、症状が軽快します。
【主な原因】
肩の筋肉疲労の原因は、主に血行障害です。
長時間にわたり事務作業や自動車の運転等を行うと、肩から首にかけて筋肉に負担がかかります。筋肉に負担がかかり続ければ疲労を起こし、乳酸が身体に蓄積されます。
この乳酸は疲労物質と呼ばれ、筋肉を硬くし痛みを引き起こします。筋肉が硬直化すれば、それに伴い血流が滞ることになり、その結果疲労物質の排除が円滑に行われず、痛みがさらに生じるようになります。
特に肩周辺の筋肉はその可動範囲の広さから複雑な構造になっており、その分負担がかかりやすく疲労しやすい造りになっています。

五十肩

【主な症状・特徴】
通常の肩こりとの違いは、肩こりが主に筋肉疲労によるものに対して、五十肩は肩関節の炎症であることです。
痛みは肩のみならず、腕に至ることも多く見られます。
【主な原因】
五十肩の原因は、現在のところはっきりとしたことは分かっておりません。
主に関節を構成している骨や軟骨、靭帯などの組織が加齢により変性したため、肩関節の周辺に炎症が起こることと考えられています。

頸椎症性神経根症 【主な症状・特徴】
主に肩のこりや痛み、首の痛みや腕の痛みが出てきます。痺れや感覚麻痺が発生することもあり、また歩行が困難になる症状の方も居ます。
起床した際に強い痛みを感じることが多く、安静を保つことで症状が緩和されていきます。
また、日中の活動で筋肉が疲労した際に再び痛みを伴うことがあります。
【主な原因】
加齢等による頸椎の変形です。
頚椎椎間板ヘルニア

【主な症状・特徴】
主に首の違和感や痛みを伴うことが特徴で、場合によっては肩こりや肩の痛みにまで症状が広がることもあります。
頸椎部分の神経が圧迫されることで引き起こされる病気であるため、首や肩のみならず、手のしびれや感覚の麻痺等の感覚障害も出てくることがあります。感覚障害が起きれば文字が書きにくくなったり、手先の細かな作業が困難になったります。
【主な原因】
椎間板はコラーゲン等から構成されているのですが、加齢(特に中年期以降)に伴い椎間板の水分が失われていきます。そのため、クッション性も低下し、頸椎周辺の神経への圧迫が発生してきます。それが痛みの原因となります。
外傷の場合は、交通事故やスポーツ等がきっかけになります。頸椎部分に強い衝撃が加わったことで椎間板がダメージを受けると、この病気が発症します。また、姿勢不良が長時間継続した場合も発症することがあります。

頸椎捻挫(むち打ち)

【主な症状・特徴】
頸椎捻挫(むち打ち)の症状は、交通事故等で外部から頸椎に大きな負担がかかることによって、首の痛みや首がおかしい感じ、頭の痛さや肩こり、肩の痛み等が引き起こされます。
肩を動かせない、背中や腕が痛む又はしびれる等も挙げられ、さらに腰痛にまで至る方もいます。耳鳴りや難聴が引き起こされる場合もあります。
【主な原因】
頸椎捻挫(むち打ち)の原因は、何らかの衝撃で頭が激しく揺さぶられることにより、頸椎の関節が損傷することです。交通事故がきっかけの場合が多く見られます。
外部からの衝撃が加わって症状が引き起こされるまでの経緯は、頸椎捻挫のタイプによって以下のように異なります。
・捻挫型の場合は、じん帯の断裂や、椎骨のクッションを司る椎間板にヒビが入ることで症状が引き起こされます。
・神経根型の場合は、脊髄神経の通路である椎間孔から伸びた神経が、頸椎に圧迫されることで引き起こされ、特に首を曲げることや、せき、くしゃみの際に痛みが出てきます。
・脊髄型の場合は、脊髄が損傷されることにより、腰から下の神経に影響が及ぶことから引き起こされます。
・バレ・リーウー型の場合は、交通事故の直後などに安静にしなかったため交感神経に影響が及んで症状の発症に至ります。

眼精疲労

【主な症状・特徴】
眼のかすみや乾燥、痛みなど眼を中心とした異常が主になりますが、その他に肩のこりや痛み、首の違和感まで発生することがあります。
症状が悪化すれば、頭痛や嘔吐、食欲不振、胃痛、便秘など身体への疾患に至ることもあります。また、不安焦燥感、抑うつ状態などの精神の不安定へと発展することもあります。
【主な原因】
主に眼の器質的異常や生活環境の問題、また精神的ストレスから引き起こされること等が指摘されています。
眼の器質的異常としては近視や乱視、老眼などが挙げられ、これら眼の異常により文字を読む際に不自然な姿勢となりやすく、その結果、身体へ負担がかかり眼精疲労へと繋がります。
また、メガネやコンタクトレンズが合わない場合にも眼精疲労に至りやすくなり、ドライアイ、緑内障、白内障などの疾患も眼精疲労の要因として考えられています。
生活環境に問題がある場合は、例えばパソコンのディスプレイを長時間見続けると眼を酷使することになり、その他に部屋の乾燥、部屋の照明の明るさ、騒音といった環境が眼精疲労との関連があると指摘されています。
また、精神的なストレスが過多になれば身体へ異常が発生する心身症へと繋がり、眼に対しても影響が及び眼精疲労へと繋がることがあります。

緊張型頭痛

【主な症状・特徴】
当初は肩のこりや痛み、首がおかしい等の違和感が出始め、後頭部の鈍痛へと至ります。
痛みと言うよりは重いという症状を訴える方が多く、他にも締めつけ感、圧力や圧迫があると感じる方もいます。ヘルメットを被ったような感覚という表現をされる方もいます。
おおよそ1週間前後続く場合が多く、短ければ30分ほど、また症状が重い方は毎日のように頭を中心に鈍痛を感じます。
あらゆる年齢層で発症し、時々症状が出る反復性緊張型頭痛と、毎日継続して症状が出る慢性緊張型頭痛があります。

【主な原因】
国際頭痛学会によると緊張型頭痛を引き起こす原因は、社会的ストレスや不安、うつ等の不安定な精神状態、口や顎の機能異常、薬剤の過剰摂取、その他の器質的な疾患等が挙げられています。
また、睡眠不足により頭痛が発生することも多く、その他、就職、転職、結婚等といった心理的プレッシャーが強くなりやすい生活環境の変化も頭痛を引き起こす要因となります。
また、オフィスワークや自動車の運転など、長時間にわたり一定の姿勢をとり続けることから身体へストレスがかかり、緊張型頭痛へと至ることもあります。

野球肩

【主な症状・特徴】
野球などのスポーツにて投球の動きをした際、肩関節周辺に痛みを感じるようになります。
野球の他、テニス、バスケットボール、水泳、重量挙げなどでも同様の症状が起きます。これらのスポーツは、野球の投球動作時と同じ仕組みで肩への負担がかかることから、同様の症状に至ります
【主な原因】
オーバーユースによるものの方が多く、肩を長期間酷使することで肩周辺の関節、筋肉、腱に損傷を与え、炎症が出てきます。また、軟骨が変性したり、靭帯が断裂したりすることで、損傷の範囲が広がります。
具体的には、インピンジメント症候群、関節唇断裂、亜脱臼等が引き起こされることから、野球肩の症状に繋がります。
外傷による場合は、肩に物理的な衝撃が加わることで、亜脱臼や関節唇損傷等が起き、野球肩の症状を引き起こします。
その他、投球フォームが適切で無い場合や、筋肉の状態が固いまたはバランスよく鍛えられていない場合等も肩に負担がかかりやすく、肩関節を傷めやすいと言われています

頸肩腕症候群

【主な症状・特徴】
頸肩腕症候群の症状は、首から肩、背中、腕にかけて痛みやこりが出てきます。その他、しびれや運動障害、感覚障害も発生することがあります。
主な症状は上記になりますが、その他にも多岐にわたる症状が出る場合があります。精神に関わる症状では、頭痛やめまい、耳鳴り、情緒不安定、抑うつ状態、睡眠障害などが発生します
【主な原因】
直接の原因は、首や肩周辺の筋肉疲労、頸椎周辺の疾患、内臓疾患、また外傷によるものや事務作業など長時間同じ姿勢を取る等が考えられます。
特に、パソコンなどのOA機器を長時間使用し続ける職業の人に発生しやすく、キーパンチャー病という名称も引用されることがありました。
頸肩腕症候群に繋がる具体的な病名は、主に変形性頸椎症、頚椎椎間板ヘルニア、頸椎後縦靱帯骨化症、胸郭出口症候群などが主に挙げられます。
なお、原因が不明の場合もあります

寝違え 【主な症状・特徴】
起きた時に首のこわばりがあり、いつも通りに起き上がれない。首を動かせる範囲が普段より狭くなり、動かそうとすると激痛が走る。横を向くと無意識に身体ごと動かしてしまう。上を向くと痛みが走り、向きづらい。腕や肩がだるく、しびれる。などの症状がみられます。
【主な原因】
不自然な姿勢で眠り続けた時に起こります。通常は頸部に痛みが生じたり、違和感を覚えた場合には、眼がさめたり、無意識のうちに首の姿勢を変えますが、 疲労や睡眠不足あるいは泥酔状態で眠ってしまうと、これらの反応がなくなり、不自然な姿勢で寝続けてしまうことがあります。
睡眠時の姿勢が問題で、首の関節や筋肉にかかっていた負担が原因の場合に生じると考えられています。

心因性の肩こり

【主な症状・特徴】
通常の肩こりと同様の症状に近いのですが、その期間が長くまた痛みを伴うのが一般的です。
精神的ストレスから引き起こされるため、肩のマッサージやストレッチのみでは症状は根本的には改善されず、さらにその他の精神疾患や心身症を伴うケースもあります。
なお、肩こりという身体的苦痛が逆に精神的ストレスへと繋がる事もあり、総じて慢性化しやすい症状と言えます。
【主な原因】
精神的ストレスにさらされた場合、自律神経のバランスが崩れていきます。具体的には交感神経が緊張状態になるわけですが、その時、身体が外部のリスクに適応するためアドレナリンと言われるホルモンを盛んに分泌します。
アドレナリンは、心拍数を増やし、血圧を上げ、そして眼の瞳孔を開きます。それは身体が警戒態勢を取ることであり身体反応としては自然なものですが、その状態が不必要に継続すれば血管が収縮した状態が続きます。
その結果、血行不良を起こします。血行不良が続けば老廃物が蓄積され、やがて肩こりの症状へと繋がります。
また、几帳面な方や責任感の強い方の場合も精神的ストレスがかかりやすく心因性肩こりになる傾向があり、そのため原因には性格面も関わってくると言えます。

胸郭出口症候群

【主な症状・特徴】
肩や腕を動かした際に肩、腕にしびれや痛みが生じます。また、肩がこったり、背中に重みを感じたりする症状も出てきます。
その他、感覚障害として痛みを伴うしびれや、手先の細かい動作が困難になる感覚麻痺も発症することがあります。
また、腕の血行不良を引き起こすため、腕が痛みとともに白くなり、重症化すれば青紫色になることもあります。
頭部へも症状が広がることがあり、その場合はふらつき、耳鳴り、後頭部を中心としたしびれなどが起きます。 なで肩の女性に多く見られる病気です。
【主な原因】
鎖骨周辺の神経や腕に続く血管が圧迫されることです。
神経、血管が圧迫される要因は、骨格に問題がある場合と、長時間の事務作業やスポーツ、事故等の外的な影響によるものがあります。
骨格に問題がある場合は、先天的に鎖骨と肋骨が狭くなっており、または頸助(けいろく)と呼ばれる状態になっている可能性があります。
頸助とは、第7頸椎の突起が頸部側面に異常発育して肋骨のように変形した状態です。また、第1肋骨に接するように変形するケースもあります。
以上のように骨格形成に問題があれば神経の通り道や血管が圧迫されることになるため、 それら神経、血管が繋がっている肩や手に影響が出てきます。

頸椎後縦靱帯骨化症

【主な症状・特徴】
脊髄が圧迫されることにより肩こりや痛み、手足の痺れが出てきます。
また、手の感覚障害から食事時に箸を使用したり、文字を書いたりするような細かい動作が難しくなり、足の動作が不自由になることから歩行困難になります。階段などの移動中もつまずきやすくなります。
【主な原因】
頸椎を構成する骨をつなぐ後縦靱帯という部分が肥大化し、また骨のように硬化することです。
このような後縦靱帯の変化により、頸椎部を動かすことが徐々に難しくなり、やがて脊髄を圧迫するようになります。脊髄が圧迫されれば、脊髄から連なる手足の神経に影響が出て、首や肩の痛みやこり、手足の動作不良が引き起こされます。
なお、なぜ後縦靱帯が肥大化し、硬化するのかは現在のところ解明されておりません。遺伝によるものや、カルシウム、ビタミンD代謝異常、性ホルモン異常などの仮説があり、また糖尿病との関連の指摘もあります。